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不動産相続

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不動産相続の手続きフロー|やること一覧と時系列でわかる完全ガイド

不動産相続の手続きは何から始めればいい?この記事では、死亡後すぐにやるべきことから名義変更・相続税の申告まで、全体の流れとやることを時系列でわかりやすく解説します。

はじめに

「親が亡くなって不動産を相続することになったけど、何から手をつけていいのかわからない…」

不動産の相続は、手続きが多く、期限や必要書類も複雑で、初めての人には不安がつきものです。

この記事では、不動産相続に関する手続きを“時系列順”で整理し、やることをわかりやすく一覧化してお伝えします。この記事を読めば、相続手続きの全体像がスッキリつかめるはずです。


不動産相続の全体像と特徴

相続全体の中で不動産が占める位置づけ

不動産は、相続財産の中でも特に価値が高く、分けづらい資産です。

預貯金や株式と違って「物理的に分割できない」ため、どう分けるか、誰が相続するかが争点になりやすいのが特徴です。

不動産相続が特に複雑な理由とは

  • 相続登記という独自の名義変更が必要
  • 相続税の評価が難しい(固定資産税評価額、路線価など)
  • 維持・管理・処分など、相続後の対応も多い

そのため、手続きや判断ミスが将来のトラブルにつながる可能性もあります。


手続きフローとやること一覧【時系列】

ステップ1:相続開始(死亡届の提出)

  • 期限:死亡から7日以内
  • 市区町村役場に死亡届を提出(医師の死亡診断書が必要)

※この時点で、相続が“開始”されます(相続の法律効果が発生)


ステップ2:相続人の調査・確定

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集
  • 法定相続人(配偶者、子ども、親、兄弟など)を確定

※戸籍の取り寄せには時間がかかる場合もあるため、早めの着手が重要です。


ステップ3:遺言書の確認と検認(必要な場合)

  • 遺言書があるか確認(自宅、銀行、法務局など)
  • 自筆証書遺言がある場合は、家庭裁判所で「検認」手続きが必要

※公正証書遺言は検認不要です。内容に従って相続手続きへ進みます。


ステップ4:相続財産の調査・不動産の評価

  • 被相続人名義の不動産を特定(登記簿、名寄帳など)
  • 評価額を調べる(固定資産税評価額、路線価、公示価格など)

※借金や未払金などのマイナス財産も同時に調査します。


ステップ5:遺産分割協議と協議書の作成

  • 相続人全員でどの財産を誰が相続するか協議(協議書に署名・実印)
  • 協議書は後の名義変更や相続税申告で必要になる法的書類

※不動産がある場合、代償分割(現金で調整)なども検討されます。


ステップ6:不動産の名義変更(相続登記)

  • *法務局に「相続登記申請」**を行い、不動産の名義を変更します
  • 提出書類:戸籍一式、遺産分割協議書、固定資産評価証明書など
  • 登録免許税:固定資産税評価額の0.4%

※2024年4月以降、**相続登記は義務化(3年以内)**されており、怠ると過料(最大10万円)となります。


ステップ7:相続税の申告・納付(期限に注意)

  • 基礎控除額を超える相続財産がある場合、10ヶ月以内に申告・納税
  • 基礎控除=3000万円+600万円×法定相続人の数

※土地評価が絡むため、専門家による相続税シミュレーションを推奨します。


注意すべき期限と罰則

相続登記の義務化と過料

  • 相続登記は2024年4月から3年以内の申請が義務
  • 違反すると、**10万円以下の過料(行政罰)**が科される可能性あり

相続税申告の10ヶ月ルール

  • 相続開始から10ヶ月以内に申告・納付
  • 期限を過ぎると延滞税や加算税が発生

専門家に依頼すべきケースとそのメリット

司法書士・税理士・弁護士の役割分担

| 専門家 | 役割 | | ---- | ------------------------ | | 司法書士 | 相続登記、不動産の名義変更書類の作成・提出 | | 税理士 | 不動産の評価・相続税申告・納税シミュレーション | | 弁護士 | 相続人間のトラブル対応、遺言無効争いなど法的助言 |

費用と依頼タイミングの目安

  • 相続登記:5万円〜10万円前後(物件数や地域により変動)
  • 相続税申告:15万円〜50万円以上(財産額による)

※遺産総額が大きい、相続人が複数いる、揉めそう…といったケースでは、早めの相談がトラブル防止になります。


まとめ|やることと順番を把握すれば不動産相続は怖くない

| ステップ | やること | 備考 | | ---- | ------- | --------- | | 1 | 死亡届提出 | 7日以内 | | 2 | 相続人の確定 | 戸籍取得が必須 | | 3 | 遺言書確認 | 自筆なら検認が必要 | | 4 | 財産調査・評価 | 不動産・借金両方 | | 5 | 遺産分割協議 | 全員の合意が必要 | | 6 | 相続登記 | 義務化・3年以内 | | 7 | 相続税申告 | 10ヶ月以内に |


不動産相続の手続きは確かに多くて複雑ですが、やるべきことの順番とポイントを理解しておけば、着実に進められます。

「何から手をつけるべきか」がクリアになれば、不安や負担もぐっと軽減されるはずです。

必要に応じて、司法書士・税理士・弁護士などの専門家の力も借りながら、スムーズな相続を目指しましょう。

written by

編集部

ブルズHQ編集部

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