不動産相続とは?初心者がまず知っておきたい基本知識
不動産相続の基本を初心者向けに解説。相続の流れ、必要な手続き、注意点をわかりやすくまとめています。
不動産相続とは?初心者がまず知っておきたい基本知識
はじめに
親や親族が亡くなり、不動産の相続が発生したとき、多くの人が「何から手をつければいいのか分からない」と感じます。相続手続きは一度きりの経験であることが多く、知識がないまま進めるとトラブルや損失を招く可能性も。
この記事では、不動産相続の基本的な仕組みから手続きの流れ、注意点までをわかりやすく解説します。
不動産相続とは?
そもそも「相続」とは何か
「相続」とは、亡くなった人(被相続人)の財産や権利義務を、法律に基づいて特定の人(相続人)が引き継ぐことです。不動産相続はその中でも特にトラブルになりやすい分野です。
不動産相続が特に複雑な理由
不動産は分割しづらく、評価も一律ではありません。たとえば実家を兄弟で相続する場合、物理的に半分ずつ分けることはできず、「売却」「共有」「特定の人が相続して金銭を渡す」といった手段が必要です。
相続人の範囲と法定相続分
誰が相続人になるのか
民法では、相続人の優先順位が定められています。
- 第1順位:配偶者と子(子がいなければ孫)
- 第2順位:配偶者と直系尊属(父母など)
- 第3順位:配偶者と兄弟姉妹
配偶者は常に相続人となり、他の順位の人と一緒に相続します。
法定相続分の基本ルール
たとえば配偶者と子ども2人の場合、それぞれの法定相続分は以下のとおりです。
- 配偶者:1/2
- 子ども:1/4ずつ(1/2を2人で分ける)
この割合は「遺言書がない場合」の基準であり、遺言がある場合はその内容が優先されます。
相続の基本的な流れ
相続開始から名義変更までのステップ
不動産相続の流れは以下の通りです。
- 被相続人の死亡
- 相続人の確定(戸籍調査)
- 遺言書の有無を確認(自筆証書は家庭裁判所で検認)
- 相続財産の調査(不動産、預貯金、借金など)
- 遺産分割協議(相続人全員で話し合い)
- 相続登記(名義変更)
- 相続税の申告・納付(必要な場合)
スケジュールと期限に注意
- 相続放棄:死亡を知ってから3ヶ月以内
- 相続税申告:死亡から10ヶ月以内
- 相続登記:2024年4月以降、義務化(3年以内)
これらの期限を過ぎると、余計な税負担や罰則の可能性があります。
不動産相続でよくあるトラブルと回避法
共有名義のトラブル
複数人で不動産を共有名義にすると、売却や管理の意思決定が難しくなり、相続の次世代でも揉める原因になります。解決策としては、1人が相続して他の人に代償金を払う「代償分割」があります。
遺言がない場合のもめごと
遺言がない場合、法定相続人全員で遺産分割協議を行う必要がありますが、意見がまとまらず調停・裁判に発展するケースも。遺言書を残すことは、生前にできる最大のトラブル予防です。
不動産相続に関わる主な手続き
相続登記(名義変更)の重要性
不動産を相続した場合は、必ず相続登記を行って所有者を明確にする必要があります。2024年4月からは**義務化され、違反には過料(最大10万円)**が科される可能性も。
登記には以下の書類が必要です。
- 被相続人の戸籍・除籍謄本
- 相続人の戸籍謄本
- 遺産分割協議書
- 登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)
相続税の申告と納付
相続税はすべての人に課されるわけではなく、「基礎控除額(3,000万円+600万円×相続人の数)」を超える場合に発生します。
例:相続人が3人の場合 → 基礎控除額は4,800万円
申告には、財産の評価、申告書の作成、納税など多くの作業があり、専門家への依頼が一般的です。
まとめ|まずは全体像をつかむことから
不動産相続は、法律・税金・手続きが絡む複雑なテーマですが、まずは「誰が何を、どのように相続するのか」という全体像をつかむことが重要です。
不明点や不安があれば、司法書士・税理士・弁護士などの専門家に早めに相談しましょう。大切な資産を守り、トラブルを防ぐ第一歩は、正しい知識です。
written by

ブルズHQ編集部